【ウェビナー解説記事】AIエージェントをプロダクトにどう組み込んでいくべきか?~海外最新事例から学ぶ、実践的なエージェント活用術~

イベントレポート

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※本記事は、2025年1月9日にグッドパッチ社とAlgomatic社が共催したウェビナーの内容をまとめたものとなります。

<ウェビナー用イベントページ>

AIエージェントをプロダクトにどう組み込んでいくべきか?
AIエージェントをプロダクトにどう組み込んでいくべきか?~海外最新事例から学ぶ、実践的なエージェント活用術~ 【Goodpatch社&times;Algomatic社による共催...

1. はじめに

私たちAlgomaticは、生成AIの急速な進化を背景に、大規模言語モデル(LLM)を活用したサービス開発・業務変革支援を行っています。近年、ChatGPTなどのチャット型AIが注目を集める一方で、より自律性の高い「AIエージェント」が2025年以降のビジネスシーンを大きく変える存在として期待されています。

本ウェビナーでは、「AIエージェントをプロダクトにどう組み込むべきか?」をテーマに、以下のポイントを重点的に解説しました。

  1. AIエージェントの基本概念
  2. 海外最新事例(ビッグテック、スタートアップ)から見る具体的な活用動向
  3. 企業のDX・新規事業などにAIエージェントを導入する際の留意点

共同登壇いただいたのは、グッドパッチの執行役員である木村直樹氏です。弊社Algomaticの技術視点と、グッドパッチ社がもつデザイン思考・事業立ち上げ支援の知見を掛け合わせ、実用的かつ包括的な内容をお届けしました。

2. 本ウェビナーの開催背景

2.1 Algomatic × Goodpatch の意図

弊社Algomaticは、生成AI領域に特化したサービス開発やコンサルティングを展開しており、幅広い技術アセットを活かして企業のAI導入を支援しています。一方のグッドパッチ社は、国内のデザイン業界初の上場企業としてUI/UXデザイン、ビジネスモデルデザイン、組織デザインなど「体験価値」の創出を強みとするパートナーです。

両社は、AI技術とデザイン思考を融合させた「AIプロダクトデザイン開発支援サービス」を共同提供するにあたり、本ウェビナーを開催しました。特にAIエージェントは、従来のチャット型AIを超えた自律実行型のAIであることから、プロダクトへの組み込み方や業務への適用時に検討すべき項目が多岐にわたります。そうした疑問に応える場として本ウェビナーを企画しています。

<プレスリリース>

グッドパッチ、Algomaticと共同でAIプロダクトのデザイン・開発支援サービスの提供を開始
株式会社グッドパッチのプレスリリース(2024年10月8日 11時00分)グッドパッチ、Algomaticと共同でAIプロダクトのデザイン・開発支援サービスの提供を開始

2.2 想定視聴者

冒頭のイベントページでもご案内していますが、想定している主な視聴者は以下の通りです。

  • 企業のDX推進担当者
  • 事業開発・新規事業担当者
  • マーケティング・営業部門の責任者・担当者
  • プロダクトマネージャー、デザイナー
  • 最新のAI技術を業務やプロダクトに組み込み、効率化や生産性向上を図りたい方

すでに海外ではAIエージェントが多数リリースされ始めている一方で、日本では「具体的にどう組み込むか?」という導入ノウハウが十分に共有されていない現状があります。今回のウェビナーが、そのギャップを埋める一助となればという想いで開催しました。

2.3 登壇者紹介

株式会社Algomatic
執行役員 AI Transformation(AX) カンパニーCEO
鴨居 啓人 / Hiroto Kamoi

【経歴】アクセンチュア株式会社でAIグループのシニアマネージャ(データサイエンス)として、通信・EC領域の案件をリード。AIを活用したソリューション開発やマーケティング分析、サービスグロース支援を担当。

その後、株式会社Algomaticに入社。AI TransformationカンパニーのCEOとして、様々な企業の経営課題をAIを用いて解決している。

株式会社グッドパッチ 執行役員
木村 直樹 | Naoki Kimura

【経歴】大学卒業後、大手リース会社にて経企・経理・IRを担当。その後コンサル会社のシグマクシスに転職 し、様々なプロジェクトを経験する中で人材領域に興味を持つようになる。研修会社のアルーに転職し、国内外の各種研修開発や、フィリピンでの英会話事業立ち上げをリード。

その後、デロイトトーマツコンサルティングにて、人事制度設計や組織再編のPJTに従事する一方、社内の若手約300名の育成責任者を務めたのち、AI会社のエクサウィザーズに入社。 DX人材育成に関する3つの新規事業の立ち上げを成功させたのち、法人向け生成AIプロダクト事業の責任者として初年度からARR6.2億円を達成。2024年10月グッドパッチ入社、執行役員に就任。

3. AIエージェントとは? ~従来のチャット型AIとの違い~

3.1 2025年はAIエージェント元年

ウェビナーでも触れたように、「2025年はAIエージェント元年」とさまざまな専門家が予測しており、PIVOT等のメディアでも「AIエージェント」というキーワードが盛んに取り上げられています。私たちAlgomaticの鴨居も、年末以降の動きを注視する中で、「エンタープライズ領域でのエージェント活用」が一気に加速しつつあると感じています。

3.2 チャット型AIとの決定的な違い

多くの方がイメージするチャット型AI(例:ChatGPT)は、「人間が質問し、AIが応答する」という受動的構造です。しかし、AIエージェントはゴールを与えられると自律的にタスクを進行し、タスクの結果や外部連携を踏まえて自己修正を繰り返す点に特徴があります。

  • チャット型AI:ユーザーの問いに対し、AIが回答を生成。主体は人間。
  • AIエージェント:ユーザーはゴールのみ提示。AIがタスク立案・実行・修正を自動で行う。主体はAI。

ブラウザを自動で操作する「browser-use」というOSSの使用デモも紹介され、機械学習エンジニアとしての応募フォーム入力をエージェントが代理実行する様子が示されました。従来ならブラウザ操作もユーザーが手動で行う必要がありますが、AIエージェントは適切なWeb検索・フォーム入力を行い、履歴書アップロードまで完遂します。これにより、単なる会話AIの枠を超え、エンドツーエンドで業務を代替する可能性が見えてきます。

3.3 ワークフローの変革

こうした自律行動型AIが普及すれば、業務プロセスの根本的な変化が見込まれます。DX推進担当者にとっては、RPAやチャットボット導入で部分的に自動化していた範囲をさらに拡張し、思考・判断を要するフェーズまでAI化することが可能になるでしょう。一方、部署横断で新しいフローや組織体制を構築しなければならないケースも出てきます。

ウェビナー中には、人事採用の例として「応募がAIにより自動化されれば、大量に送られてくる応募を選考する側もAI化が進む」といった、AIエージェント同士で交渉ややり取りをする未来像が語られました。既存の前提が大きく崩れるため、どの部署がどこまでAIに任せるのか、どのような評価指標でヒトとAIを協調させるかといった検討が不可欠になると考えられます。

4. 海外最新事例に学ぶ、AIエージェント活用の最前線

4.1 ビッグテックのAIエージェント関連サービス

ウェビナーでは、海外におけるビッグテックの主なエージェント事例として以下が紹介されました。

1.Salesforce: Agentforce

  • セールスから顧客サポートまでをパッケージ化したAIエージェント機能を提供。CRMとの統合が強み。
  • 音声問い合わせデモでは、電話の相手(顧客)に対しAIが瞬時に購入履歴を参照し、返答する実例が示された。

2.Google: Agentspace

  • SharePointやGoogleドライブ、JIRA、ServiceNowなどと連携し、社内の多様なデータを横断検索。
  • マルチモーダルに対応し、自然言語指示だけで情報取得や要約、さらに関連業務の実行が可能になる。

どちらの例も、既存のチャットボットとは一線を画した自律行動型AIとして注目を集めています。コールセンターや社内問い合わせなど、いわゆるフロント業務だけでなく、バックエンドの在庫管理や顧客情報連携までエージェントがカバーする未来が現実味を帯びています。

4.2 海外プロダクトにおけるドメイン特化型エージェントの事例

さらに、営業・人事など特定のドメインに特化したAIエージェントを展開するスタートアップも増えています。ウェビナーでは、以下の2社が代表例として言及されました。

  • 11x(営業領域)
  • 「Alice」「Jordan」というエージェントを通じてリード獲得や電話応対を自動化。
  • インサイドセールスのオペレーションコストを大幅に下げる取り組み。
  • ジョブディスクリプションをAIに渡すと、最適な候補者を巨大データベースからピックアップし、面談設定まで実施。
  • 採用業務のうち、求職者スクリーニングや日程調整などをAI化し、担当者のコア業務に集中する体制を実現。

AIエージェントが会社や業界を選ばず幅広く登場している実態は、「AI Agents Directory」に700超のサービスが登録されていることからもうかがえます。国内においても、今後類似のエージェントが急増する可能性が高いでしょう。

5. AIエージェントをプロダクト・業務に組み込む際のポイント

引用:https://speakerdeck.com/hirosatogamo/llmops-3tunoji-shu-torendodeli-jie-surullmnojin-hou-nozhan-wang

5.1 UX・ブランディング設計

後半では、プロダクト視点でAIエージェントを組み込む際の検討事項として、グッドパッチの木村氏より「ユーザー体験(UX)」と「ブランディング」の重要性が語られました。例えば、コールセンター業務をエージェント化する場合、

  1. エンドユーザー(顧客)の体験 電話がすぐにつながりストレスが減る AIの応答が人間らしく感じられるか、または逆に機械的すぎて不快でないか
  2. オペレーターやスーパーバイザーの体験 AIが対応しきれないケースへのエスカレーション AIへのフィードバック(学習データの教え方) 従来の評価指標(応対時間など)が合わなくなる可能性

これらを統合的に設計しなければ、せっかく導入したAIエージェントが浸透せず終わるリスクがあるというわけです。また、ブランディングの観点では、LLM自体が汎用化されやすいため、「どんな領域でどのような価値を出すか」を明確にしないと差別化は難しいと指摘されました。

5.2 組織と導入プロセス

一方、弊社Algomaticの鴨居からは「大企業の多くは品質を極度に重視しがちだが、技術進化のスピードが速いので、まずPoCでリリースし、データを蓄えながら改良していくことが重要」とコメントさせていただきました。木村氏もこれに同意し、"AIを育てる" という発想が必要だと説明しています。

  • ラボ型組織の活用 既存の本体組織に縛られすぎない形で実験を進め、成果が出始めた段階で本格導入を検討する
  • スコープの切り出し いきなり全工程をAI化するのではなく、一部分のタスクから始める 成果を関係者に共有し、段階的に拡大していく

こうしたアプローチをとらなければ、企画段階で時間をかけすぎているうちに技術トレンドが進んでしまい、機会損失につながる可能性があります。

6. おわりに

6.1 まとめ:AIエージェントが変える未来

AIエージェントは、従来のチャットAIのような受け身の応答から一歩進み、自ら判断して自律的に行動できる技術として進化しています。各種領域での海外事例を見ると、

  • コールセンター:問い合わせ応対の効率化とスタッフの役割再構築
  • 営業:リスト作成・メール送信・フォローアップなど一連の業務を自動化
  • 人事採用:候補者抽出や面談調整をAIが代行

といった変化が既に始まっています。日本でも、2025年を境にエンタープライズ領域での本格導入が進むと専門家が指摘しており、早期にPoCを開始して学習データと実運用ノウハウを蓄積することが、将来的な優位性を築く鍵となるでしょう。

AIエージェントの活用は、技術面だけでなく組織や顧客体験の再設計を伴う大きな変革です。新しい価値を創出すると同時に、既存の評価軸や業務プロセスの抜本的な見直しが必要なため、導入には時間がかかります。しかし、だからこそ早期に着手することで、"AIに行動を任せる"新時代を先取りできる大きなチャンスがあります。

6.2 Q&Aハイライトと、次回ウェビナーに関するご案内

今回のウェビナーでは、準備したトピック以外にも、参加者の皆様から数多くの質問やご意見をいただきました。特に印象的だった質問をご紹介します。

  • 「AIエージェントを導入すると、事務部門の仕事はどう変わるのか?」
  • 「AI同士で大量に応募・問い合わせが発生した場合、受け手側もAI化しないと対応が破綻しそう…」
  • 「既存のRPAとエージェントはどのように使い分けるべき?」
  • 「企業システムとのセキュリティ連携は?」

これらの質問は、いずれも実務に即した具体的な課題意識を反映したものでした。登壇者からは、導入事例や実践的なノウハウを交えながら丁寧な回答を行い、セミナー後のアンケートでも「大変参考になった」「さらに詳しく聞きたい」という声を多数いただきました。

他にもQ&Aセッションでは、具体的な実装事例や運用ノウハウに関する議論も多数繰り広げられましたが、機密情報を多く含む内容のため本記事では割愛させていただきます。多くの方が「自社にも同じような課題があり、詳しく聞きたい」「うちのプロダクトにも応用できそうだ」と感じられたのではないでしょうか。

このような反響を受け、私たちは最新情報をアップデートした上で、近日中に同テーマでの再開催を予定しています。前回の質問をより深く掘り下げ、新たな課題についても具体的な事例を交えながら回答させていただく予定ですので、ぜひ次回開催のご案内をお待ちください。

6.3 今後に向けて

私たちAlgomaticは、生成AI・AIエージェント領域の技術力を活かし、様々な業務効率化を支援しています。その一環として、採用特化型AIエージェントや飲食店舗向け接客AIアバターなど、複数のAIエージェント関連プロジェクトも多数展開中です。

一方、グッドパッチのデザイン思考・ワークショップ型の課題抽出ノウハウは、AIエージェント導入において組織面・ブランディング面を含めた総合的なアプローチを可能にします。

今後も定期的に、本ウェビナーのようなセミナーや相談会を開催し、最新のエージェント動向や具体的な活用事例を共有していきますので、生成AI活用の無料相談やワークショップにご興味をお持ちの方は、Algomaticまたはグッドパッチ社まで気軽にお問い合わせください。

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グッドパッチは、サービスやプロダクトのUX/UI・ブランド・事業戦略のデザインパートナーとして並走。企業が抱える課題を明確にしデザインでビジネスに貢献します。

※本ウェビナーのスライドやアーカイブ動画は、相談会の参加者にも個別でご案内しております。ご希望の方は上記のリンクよりその旨を含めてご回答ください。

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